いじめ自殺を防ぐ
いじめ、そしていじめ自殺を防ぐために我々ができることは・・・
いじめ自殺があいついで起きています。
大切な子供たちをこれ以上死なせてはいけません。
精神科医樺沢紫苑が、「いじめ自殺」について、真剣に考えます。
私たち一人一人ができる、そして今からできる方法があります。
■1 マスコミ報道がいじめ自殺に及ぼす影響
■2 いじめられる子は、なぜ親に相談しないのか?
■3 校長先生の自殺問題について
■4 人と違うことは才能だ いじめ問題の本質を描いた映画
■5 「いじめをなくす」ことより重要なこと
人と違う行動をとったり、ちょっと他の人と比べて奇異な点があると、そこをからかわれたり、バカにされたりして、いじめの対象になりやすいと言えるでしょう。しかし、横並び。みんなと同じじゃなくてはダメだ、という発想は非常に日本的だと思っていました。
しかし、最近見た映画で、この考え方をちょっと変えなくてはいけないと思っています。アメリカで2006年11月に公開した「ハッピー・フィート」です。可愛らしいペンギンが主人公のCGアニメ、興行収入2週連続第1位をとり大ヒットした作品で、日本では2007年3月公開の予定です。
最近動物を主人公としたCGアニメばかりが作られて、そろそろ食傷気味ですが、この「ハッピー・フィート」は一味違います。一見すると、ペンギンたちが歌って踊る。楽しいミュージカル映画の雰囲気ですが、かなり骨太のテーマが描かれています。ずばり、「いじめ」です。この映画のテーマは、「いじめ問題」に通じます。
「ハッピー・フィート」の皇帝ペンギンの世界では「心の歌」が大切です。「心の歌」を上手に歌えるペンギンは、みんなから尊敬され、恋愛の対象となります。歌の才能が優れたペンギンかどうかの判断基準となり、求愛も「心の歌」でします。
そこに、一匹のペンギンが生まれます。マンブルです。両親は歌の才能に恵まれペンギン界でも人気者でしたが、マンブルはたいへんな音痴です。彼が歌を歌うとブーイングの嵐となります。「心の歌」を歌えないマンブルは、は友達もできず、仲間はずれとなります。寂しい毎日を送らざるを得ません。
音痴のマンブルをバカにするペンギンたち。そこに、「いじめ」の本質を見出します。異質なものに対する排除。日本だけではなく、アメリカもあったのですね。しかし、マンブルは全く別な優れた才能を持っていました。ダンスの才能です。マンブルのタップ・ダンスは、天才的です。それは天性のもので、生まれてすぐにタップを踏んでいたくらいです。
しかし、このペンギンの世界には、ダンスの文化はありません。「歌」が全てなので、タップ・ダンスの天才であるマンブルは、誰からも認められず、誰からも相手にされないという・・・。むしろ、いつも足を動かして「おかしな奴」だと思われていました。
ペンギンたちは魚が全くとれなくなり餓死寸前の危機に瀕します。そんなペンギン界の危機は、マンブルの奇妙なダンスのせいだと決めつけられ、マンブルはペンギン族から追放されてしまいます。
しかし、マンブルは負けません。彼はいじめられ、白い目で見られても、決して落ち込むことになく、いつも明るく前向きにふるまいます。そして、その旅は壮大なものとなり、人間たちを巻き込んだ感動的なラストへとなだれ込みます。
マンブルのタップ・ダンスの才能は、最後にはみんなに認められます。途中で人々から白い目で見られたり、イジメられる。それでもメゲずに頑張り続けるマンブルのけなげ姿が心を打ちます。
いじめられっ子も、本当は何かすごい才能を持っているかもしれない。
ただそれに周囲の人たちが気付いていないだけ。
そして、いじめられて、それでメゲてしまっても、才能は花開きません。「個性」は、時として「異質」なものとなり、「いじめ」の対象となりえるのです。 誰がこの「個性」に気付いて上げられるのか? 誰が、「個性」が花開くまで支えていられるのか・・・。
マンブルの父と母もマンブルを支えます。そして、一番の支えはスペイン語なまりのアデレーペンギン、アミーゴ(兄弟)たち。かけがえのない友人たちです。そうした「心の支え」を元に、最後には、本人の「心の強さ」が、全てを切り開いていくのは、アメリカ的です。
一見して子供向け映画です。しかし、テーマが深い。このテーマを小学生、中学生がどこまで理解するのかは不明ですが、何かを感じるかもしれないという期待はあります。
いじめの本質。なぜいじめは起きるのか。そして、それに対してどう対応すべきか。いじめを乗り越えるのに必要なものは何か? 全てがこの映画に盛り込まれているように思いました。なにより現実にいじめにあっているお子さんが見ると、勇気を与えられるという点が良いのです。
もっと個性を大切にしよう。今の自分。あるがままの自分。それって、本当は素晴らしいんだよ。そんなことを、お子さんと一緒に語り合えると良いですね。非常にお薦めの作品ですので、是非お子さんと一緒にご覧ください。
日本公開は、2007年3月です。
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